ブログ触るの何年振りよ
はい、7月29日、公開初日に見てきました。
ファイナルウォーズから数年空けての日本製ゴジラの新作ということで、製作が発表されたときはそれはもう心が躍りました。
しかし
・登場怪獣はゴジラのみ、しかもCG
・そのゴジラがかっこ悪い←やめなさいよ
・全く明かされないストーリー
・監督繋がりかやたらとエヴァとコラボしたがる
・あと抱き枕カバーとか発売しだす
・・・と、不安要素を挙げればキリがないという…←最後のはあんたが気にしてるだけでしょーが
ちなみにこれがその抱き枕カバー。無駄に500mm×1600mmという抱き枕カバーベストサイズ。←だからどうしろと?
正面から抱くと顔面に熱線くらいそうなのでぜひ後ろからそっと抱いてあげてください。←今回背中からもビーム出るんですがそれは・・・
そんなこんなで不安だらけのスタートを切ったシン・ゴジラですが、映画の感想に行く前にもう一つお話しておかなければいけないことがあります。
それが昨年公開されたギャレス・エドワーズ監督ハリウッド製作の「GODZILLA」通称ギャレゴジ。
こちらも数年ぶりに製作されたゴジラ映画ということで、とてもわくわくしながらゴジラを見に映画館へ向かいました。
結果、見せられたのはアメリカ人のメロドラマとただのゴジラファンになってる芹沢博士でございました・・・。
肝心のゴジラはというと、チラ見せチラ見せ&チラ見せの末エイリアンもどきとの戦闘はブツ切りブツ切り&ブツ切りの超イライラ演出で豚鼻への殺意しか湧かないっていう・・・←エイリアンもどきじゃなくてムートーな
まだまだ言いたいことはあるのですが、ギャレゴジへの文句だけでシン・ゴジラの感想の倍書けるのでこの辺りにしておきます。←どれだけ叩きたいのよ・・・
僕がギャレゴジから学んだことは、「自分が期待しているゴジラのイメージで新作ゴジラを見に行くと楽しめない。」ということでした。
僕が好きなゴジラは圧倒的な力で人類を蹂躙し、敵怪獣をねじ伏せ、好きなだけ暴れた後は海に去っていく…そんなゴジラです。←あとCGじゃなくて着ぐるみな(重要)
僕が好きなゴジラに出てくる人類はとにかくゴジラをぶっ殺そうと自衛隊を惜しみなく投入し対ゴジラ用にトンデモメカやらスーパーロボットやらブラックホールやら開発して結局ゴジラに好き放題されちゃう…そんな人類です。←人類の扱いひどくない???
決して無償で人類の味方してくれる救世主の怪獣王が見たいわけじゃないんです。←さり気無く昭和後期disるのやめーや。
そんなこんなで今回ぼくはゴジラ映画としての期待は一切せずにゴジラの名を語ったエヴァンゲリオンでも見に行くつもりで劇場に向かいました。
前置きが長くなりましたが、ここからシン・ゴジラの感想になります。
とりあえず先にざっくりした感想を。正直面白かったです。先に述べたとおり、ゴジラとして見なかったおかげで僕自身肩の力を抜いて見ることができました。突如出現した未知の超巨大生物への対処という軸を2時間ぶれないまま飽きさせず見せたのは御見事。
しかし、「ゴジラ」は本当に名前だけだったなというのもまた正直な感想です。
今回劇中に登場するゴジラについて、簡単にまとめるとこうです。
殺伐とした映画館にシンゴジラが!
∩ ∩
( ・ x ・) エヴァンゲリオンー
/ ヽ
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_人人人 人人人人人_
> 巨 神 兵 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
お分かりいただけたでしょうか←なにをどう理解せぇちゅーねん
いやぁ完全にしてやられました。散々同監督繋がりでエヴァとコラボするもんだから、ゴジラの皮を被ったエヴァンゲリオンかと思ってたらところがどっこい、監督繋がりは監督繋がりでもゴジラの皮を被った巨神兵だったわけです。←どっちにしろゴジラじゃねーじゃねーか
今までの日本版ゴジラ映画にほぼ共通している設定として、「劇中のゴジラには先代が存在する。」てのがあります。
オキシジェンデストロイヤーを受けて初代ゴジラは海に沈みました。その後現れるゴジラにも、初代ゴジラの特徴が受け継がれています。それは劇中の人物に「あのゴジラが再び現れた!」と考えさせるために必須な記号であって、それを無視したり、大胆にアレンジすると、劇中ではゴジラと認識してもらえないと思うんですよねー。
しかし今回のシン・ゴジラは、初代ゴジラどころか怪獣自体がまだ現れたことのない世界が舞台です。全く新しい怪獣でも、登場人物にそれをゴジラと呼ばせればゴジラになります。これはギャレゴジを見たときも感じていました。
つまりこの世界観なら、ゴジラという存在の設定を好きにいじれてしまうので、今までの常識に縛られないゴジラが作れるわけです。
そして生まれた今回のゴジラは
・体内に未知の原子を持つ←G細胞かな
・自己進化を繰り返す←わかる
・エネルギーは自給自足←まぁわかる
・最終的には羽が生え空を飛ぶ可能性が示唆される←!?
・放射熱線を拡散型、収束型で使い分ける←FWもあるしね
・近づく物体に自動的に反撃する←!?!?!?
・人類に裁きを下す神扱い←救世主とか言っちゃうよりまし
・背びれからも熱線出せる←体内放射じゃなくて!?
・尻尾の先からも熱線出せる←wwwwwwwwwwwwwwww!?!?!?!?!?wwwwwwwwwwwww
・・・と、歴代に比べてもかなり設定盛り盛りの今までとは全く違うゴジラになりました。←てかこれゴジラなの・・・?
一応未知の原子はG細胞orオルガナイザーを意識しての設定でしょう。しかしほかの設定を見るとどうしてもゴジラというより風の谷のナウシカに登場する巨神兵を連想してしまいます。
ナウシカ原作漫画版の巨神兵も人類を見定める調停者、神として描かれています。身体からは常に猛毒を発し(放射能との見方あり)、調停者として進化すると空も飛びますし、火の7日間では前文明を滅ぼしています。あとゴジラの放射熱線(収束)もまんま巨神兵のプロトンビーム。
極めつけは最後にゴジラのしっぽの先に人間の骨が冷えてくっついてるところ。あれがまんま巨神兵の頭。←それもう監督も確信犯じゃん
そういうわけで、どうにも途中からゴジラが巨神兵にしか見えなくなってしまい、途中からエヴァQのおまけ「巨神兵東京に現る」の完全版を見せられている気分でした。
ゴジラの人類への敗北も僕としてはあんな方法で…と許せないものではありました(最低でもGMKのように最後に動き出すのを期待していた)が、巨神兵ならまぁいいかなと。
それとこの映画、ファンサービス精神が旺盛なぁーと。監督のファンの方はどっかで聞いたようなBGMや作戦名に興奮したのではないでしょうか。僕は逆に「ゴジラに自分の作品のパロいれんなよ…」と若干キレ気味だったんですが、途中から巨神兵として見たことで以下省略。
ヤシオリ作戦開始とともに怪獣大戦争マーチが流れたときには僕も大興奮でした。そしてEDの最後に流れた「メカゴジラ出撃準備」正直この映画の中で一番テンション上がりました。ゴジラVSメカゴジラはDVDでしか見たことがなかったので、まさか劇場でこの重厚なテーマを聞けるとはと…←最高を超えて上昇するオタク
いろいろ書きましたが本当に面白い映画だったことは間違いありません。
ただこれをこの作品を「ゴジラ」と呼ぶには僕は抵抗があります。ギャレゴジがなかったらもっとボロクソに叩いていたかもしれません。
怪獣の「かっこよさ」ってすごく重要だと思うんです。僕が子どもの頃初めて見たのはゴジラVSデストロイアでした。それからミレニアムシリーズに移っていくわけですが、それらに出てくるゴジラはどれもかっこよくて、僕の心をがっしり掴んで離しませんでした。唯一嫌いだったのがGMKのゴジラで、理由は「白目なんてかっこ悪いから。」逆に一番好きだったのは三式機龍。理由は「とにかくかっこよかったから。」
最近改めてGMKと機龍の映画を見直したら、GMKの話は面白い。機龍の話は正直微妙。子どものころの僕は、怪獣のかっこよさ=映画の面白さだったんだなぁと感じました。そしてそれが、今日まで続く僕のゴジラへの愛を支えてくれているものだと思うんです。ギャレゴジの豚鼻とシンゴジラの病気みたいな歯並びは、今の子どもたちの目にかっこよく映っているのか疑問です。
シン・ゴジラに世間がどのような評価を下すのか、僕にはまだわかりません。ただ、次にまたゴジラが作られることがあるならば、かっこいい着ぐるみのゴジラがみたいなぁと思います。
抱き枕作ってないで着ぐるみ作れってことで。←最後がそれなの